理想的な世界ってどんなものだと思いますか?
ほとんどの人は、少なからず、
理想的な世界のイメージを持っているんじゃないでしょうか?
例えば、「戦争のない世界」「差別のない世界」「貧困のない世界」「喜びに満ちた世界」などなど。
もっと具体的なイメージを持っている人もいると思います。
一体、理想的な世界ってどんなものなんでしょうか?
「今」が理想的な世界です。
「今」が理想的な世界だと思います。
僕たちは、すでに理想的な世界の中で暮らしているということです。
「そんなバカな!」
「あきらかに世界は問題だらけでしょ?」
「ちょっと頭おかしいんじゃないの?」
と思う人もいると思います。
だって、世界では戦争も起きているし、
日本で言えば、年金の枯渇問題とかもありますよね。
海を漂うプラスチック製品の問題もあります。
温暖化現象によって、
南極や北極の氷が溶けてきている問題もあります。
日々、殺人だって起きています。
近い将来、人口増加によって、
食料や水不足の危機が起きる可能性だってあります。
アメリカと中国が戦争をするかもしれません。
日本と韓国が戦争をするかもしれません。
もしかしたら、核戦争が起きるかもしれません。
地球が破壊されてしまうかもしれません。
でも、確かに「今」が理想的な世界だと思います。
仮に、あなたが思う理想的な世界が実現されたなら?
ここで、ひとつ質問です。
もし、仮に、
あなたが思う理想的な世界が実現されたとしたらどうなるでしょうか?
あらゆることが理想的な世界です。
嫌なことはしなくてもいいんです。
毎日、好きなことだけをすることができます。
戦争もありません。
差別もありません。
貧困もありません。
喜びに満ちています。
どうでしょうか?
イメージしてみてください。
学校にも行かなくてもいいんです。
会社に仕事に行く必要もありません。
なんなら、どこでもドアが実用化されていて、
いつでも、好きな場所に行ける世界であってもいいです。
もっと言えば、タイムマシンが発明されていて、
タイムトラベルが可能であってもいいです。
核融合の技術が確立されていて、
放射能の危険性もなく、
エネルギーが無尽蔵であってもいいです。
霊的な世界が好きであれば、
すべての神様と繋がれる世界であってもいいです。
すべての神様の声が聞けて、
あらゆる奇跡をおこなうことができてもいいです。
どうでしょうか?
きっと、満足しないでしょう。
きっと、満足することはないでしょう。
もちろん、最初は満足すると思います。
「なんて理想的な世界なんだ!」と思うことでしょう。
でも、それがずっと続くでしょうか?
理想的な世界があたり前になってしまうんじゃないでしょうか?
最初のうちは、
会社に行かなくてもいい解放感に満たされるかもしれません。
毎日、友達とお茶をできる自由に喜びを感じるかもしれません。
毎日のように、世界中を旅できることに喜びを感じるかもしれません。
毎日のように奇跡を起こせることに喜びを感じるかもしれません。
でも、その状態がずっと続くでしょうか?
おそらく、なんとなく退屈を感じ始めるはずです。
「なんだか、毎日同じことの繰り返しだなあ。。」
と思いはじめるのではないでしょうか?
特に、楽しいことというのは、
すぐに飽きてしまいやすいです。
身に覚えはないでしょうか?
「昔はあんなに楽しめたのに、今は飽きてしまった」ということ、
1つや2つではないはずです。
あの時の感覚はどこにいってしまったんでしょうか?
今に満足できずに、過去・未来に関わろうとするのが心の性質です。
実は、満足できないというのが心の性質なんです。
正確に言えば、満足し続けることができません。
誰しもが、
瞬間的に満足をするという経験はしていると思います。
例えば、目標を達成したときには大きな満足感を得ますよね。
「やった!ようやく仕事が終わった!しかも、かなりの成果もだせたぞ!」
ベンチャー企業の創業者は、経済的に大成功する人も少なくないです。
一生贅沢して暮らしていけるだけのお金を若くして手にする人もいます。
でも、そういった人達は満たされ続ける人生を歩むでしょうか?
実のところ、そうはならないことが多いと思います。
「もっともっと!」とさらなる成功を求めるようになるか、
「虚しい。。」と虚無感にさいなまれることも少なくありません。
それが、心の性質なんです。
今に満足するということは、
何もしなくても良いということです。
そうなると、心にとってはとても退屈なんですね。
なので、何かしらのするべきことを、
なんとしてでも探し出そうとします。
人によって傾向が違いますけどね。
未来への想像を膨らませる傾向がある人もいれば、
過去の出来事に浸ろうとする人もいます。
起業家は大抵、未来タイプだと思います。
でも、退屈な今に留まろうとする人はとても稀です。
問題があって、理想的。
なので、この世界というのは、
問題があって、理想的なんです。
問題があるおかげで、
心が活動することができるからです。
例えば、さっきテレビでニュースを見ていたら、
環境保護のために、
大西洋をヨットで横断している人が紹介されていました。
飛行機は環境汚染につながるから乗らないというポリシーのようです。
これも、「地球が汚染されている」という問題があるからこそ起こる出来事です。
もし、飛行機に乗っても環境汚染につながらないのであれば、
わざわざ大西洋をヨットで横断なんてしないでしょう。
大西洋をヨットで横断するなんてすごい行動力です。
でも、問題がある世界というのは、
こういった行動を引き起こします。
ビジネスの世界でもそうです。
例えば、アップル創業者のスティーブ・ジョブス。
iPhoneを作った人です。
iPhoneのような製品が地球上に存在しないという問題が、
彼を行動に駆り立てました。
自動車のフォードもそうですね。
それまでは、移動手段と言えば、
馬を活用することが普通でした。
なので、馬の運搬能力以上の荷物は運べないという問題がありました。
それを問題視したヘンリー・フォードは、
ガソリンを燃料に動く自動車を発明しました。
世界にものすごい変化を与えたわけです。
どれも、世界に問題があったからこそ起こった出来事です。
問題があることに飽きてしまったなら?
問題があって理想的なこの世界なのですが、
稀に、問題があることに飽きてしまう人がいます。
たいていの人は、
理想的な未来を想像すると、
アドレナリンが分泌されて高揚感を得ます。
それが行動力となって、問題を解決します。
そして、至福感を味わいます。
でも、その至福感は一時的なものです。
稀に、この仕組みに気がついてしまう人がいるんです。
「この問題を解決しても、自分は本当には満たされることはないだろう」
ということに気がついてしまう人です。
そういった人は、もっと根本的なことにも気がついてしまいます。
世界の問題というのは、
自分の心が作り出しているということにです。
さきほど、ジョブスやフォードのお話をしました。
もしかしたらお気づきかもしれませんが、
ジョブスやフォードが抱えていた問題というのは、
世界の問題じゃありません。
彼ら自身の問題です。
だって、iPhoneのようなものをイメージできたのは、
その時点ではジョブスだけです。
それが世界にまだ存在しないからといって、
それを問題視するのはジョブスだけです。
フォードの場合もそうです。
車と言えば、馬車だった時代です。
そんな時代に、
ガソリンで動く自動車が存在しないことを問題視するのは、
フォードぐらいでしょう。
つまりは、彼ら自身が、
世界に問題を作り出しているということなんです。
そして、根本をたどっていくと、
自分の心が世界に問題を作り出しているということに、
気がついてしまいます。
でも、大抵の人は、その問題を解決することができません。
自分の心が問題の原因だったとして、
一体どうすればいいんでしょうか?
少し長くなってしまいました。
答えは次回に続きます。
次回は、仏教で言う「空(くう)」の意味について、
ものすごくわかりやすく解説します。
世界の問題と空は、ものすごく密接に関係しています。
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