先日、死んだ鳥を土に埋めるということをしました。
そのとき思ったこと。
それは、「鳥には死の恐怖があるのだろうか?」ということです。
鳥にかぎらずに、動物一般でもそうです。
どうなんでしょうか?
なぜ、死んだ鳥を土に埋めることになったのか?
なぜ、死んだ鳥を土に埋めることになったのかというと、
うちのテラスで、鳥が死んでいたんです。
僕が住んでいる住戸の中には、
中庭的なテラスがあり、
そこから階段で屋上にのぼれるようになっています。
そして、屋上には土が盛ってあり、
植物を育てることができる屋上庭園になっているんですね。
その、中庭的なテラスで、
1匹の鳥が死んでいました。
おそらく、シロハラという種類の鳥だと思います。
スズメよりも一回りか二回り大きい鳥です。
うちのまわりは都内にしては自然が豊かな場所で、
鳥もたくさん生息しています。
今だって、窓の外には鳥がみえるし、
チュンチュン鳥の声も聞こえてきます。
おそらく、飛行中になにかに衝突したか、
着地に失敗したのでしょう。
うちの中庭的なテラスに落っこちてきたんだと思います。
ちなみに、うちの妻は鳥が苦手です。
そして、最初に死んだ鳥を発見したのはうちの妻です。
「ぎゃ〜〜〜〜!!!」という声。
そして、どうしようかということになり、
うちの屋上庭園の土に埋めてあげることにしました。
野生の鳥をさわったのは初めてだったのですが、
その軽さにビックリです。
そして、プロポーションのなんとカッコいいこと!
自然の造型の神秘ですね。
そして、土に埋めてあげて合掌。
そこで思いました。
「鳥には死の恐怖があるんだろうか?」と。
死の恐怖を感じるための「前提条件」とは?
いろいろと調べてみると、
死の恐怖を感じるには、
前提条件があることがわかりました。
当たり前と言えば当たり前なのですが、
死という「概念」を理解している必要があるということです。
死という概念を知らないことには、
死を怖がることもできないということです。
死という概念。
僕たちは知っていると思います。
でも、鳥とか動物たちはどうでしょうか?
死という概念を理解するためには、
思考することができる脳が必要になるようです。
僕たち人間の脳は、
大きく3つの層になっています。
まずは「脳幹」。
本能的な部分をつかさどっている脳ですね。
これは人間だけではなくて、
動物にももちろんそなわっています。
そして「大脳辺縁系」。
これは、おもに感情をつかさどるようです。
死の恐怖を感じるときには、
この大脳辺縁系が活性化するようです。
これも、人間だけではなくて、
動物にもそなわっています。
そして「大脳皮質」。
これは、おもに思考をつかさどります。
人間の大きな特徴は、
この大脳皮質が他の動物と比べて格段に発達しているところです。
だからこそ、僕たちは死という概念を理解することができるようです。
僕が死の概念を知ったのは「7歳」のころ。
ちなみに、僕が死の概念を理解したのは、
小学1年生の7歳ごろです。
とうとつに理解しました。
この世に「死」というものがあること、
そして、その「死」が自分にもいつかはやってくることをです。
不思議ですよね。
7歳になるまで理解できなかっただなんて。
おそらく、7歳になるまでの間も、
死という言葉は耳にしていたと思います。
でも、それを概念として理解することができなかったんです。
なので、僕は7歳になるまで、
自分が死ぬ存在だということに気づいていませんでした。
当然のことながら、死への恐怖もありません。
でも、死という概念を理解してしまった瞬間、
死への恐怖がはじまってしまいました。
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鳥は死の恐怖を感じることはないのかもしれない。
人間であっても、
死の恐怖を感じるには、
7歳前後の歳になるまで成長しなければいけません。
鳥の場合はどうでしょうか?
おそらく、一生、死という概念を、
理解することはないんじゃないかなと思います。
もちろん、痛みを恐れる感情はあると思います。
そうじゃないと、
飛行中に壁にぶつかることを恐れなくなっちゃいますからね。
生存本能として痛みを避けようとする感情はそなわっていると思います。
でも、いつかは死んでしまうことへの恐怖というものは、
おそらく鳥にはないのではないかなと思います。
イルカやチンパンジーはどうか?
鳥ではなくて、
動物の中では賢いといわれている、
イルカやチンパンジーの場合はどうでしょうか?
特に、イルカは6歳児ぐらいの知能といわれることもあります。
だとすれば、
死の概念を理解することも可能かもしれません。
いったいどうなんでしょうかね?
僕はちょっと難しいんじゃないかなと思います。
死の概念を理解するためには、
過去や未来をリアルにイメージできるだけの思考力が必要です。
死後の世界をイメージできるからこそ、
死が怖いと思うようになると思うんです。
イルカに、死後の世界がイメージできるかどうか。
ちょっと疑問がのこります。
まあ、ここらへんはまだまだ未知の領域だとは思いますが。
まとめ
というわけで、死ぬのが怖いという感情は、
動物にもあるのかというお話をしました。
僕は、死ぬのが怖いという感情は、
人間特有のものだと思います。
だって、人間だって7歳前後になるまでは、
死ぬのが怖いという感情はでてこないんです。
痛いのがいやという感情とは違います。
痛いのがいやなのは本能的なものですもんね。
鳥の場合には、死の恐怖はないと思います。
死ぬのが怖いという人にとっては、
それは羨ましいことでもあると思います。
その昔、英会話のNOVAのCMで
「I wish I were a bird!(私が鳥だったらいいのに)」
という言葉が使われていました。
英語を身につけて、
自由に鳥のように世界中を飛び回れたらという意味で使われたんだと思いますが、
違う意味で鳥になりたいという人もいると思います。
死という概念を知る前の状態にもどりたいという人も少なくないと思います。
僕も、夜、寝る前にベッドの上で死の恐怖に襲われたときは、
そう思いました。
「僕は、なんで、自分がいつか死ぬということに気づいてしまったんだろう」って。
でも、僕たちは鳥ではなくて、
人間に生まれてきています。
なにか意味があるのかもしれないですね。
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