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10日間のヴィパッサナー瞑想合宿には効果があるのか?【体験談】

僕は数年前に、
10日間のヴィパッサナー瞑想合宿に参加してきたことがあります。

ダンマバーヌ、京都の方です。

参加を迷っている人もいるかもしれません。
お話します。

ヴィパッサナー瞑想になにを求めてる?

ヴィパッサナー瞑想になにを求めるのかは、
ひとそれぞれだと思います。

例えば、僕の場合でいえば、
ズバリ、「悟り」を求めて参加しました。

人によっては神秘的な体験を求めて参加する人もいるかもしれません。
もしくは、心を楽にするためとか。

おそらく、ヴィパッサナー瞑想合宿は、
心を楽にしたい人にもっとも向いていると思います。

ただ、楽になりたい。そういう人向けですね。

神秘的な体験を求めている場合は、
ヴィパッサナー瞑想ではなく、
マントラを使った瞑想のほうが向いているかもしれません。

ただ、神秘的な体験をすることはあり得ます。

神秘的な体験を求めるなら、
ヴィパッサナー瞑想合宿はやめておいたほうがいいと言っておきながらなんですが、
僕は、ちょっとした神秘的な体験をしてしまいました。

ヴィパッサナー瞑想というのは、
意識を使って、体全体をスキャンしていくような瞑想方法です。
観る瞑想とも言われます。

合宿7日目あたりでしょうか。
意識を体全体にめぐらせるわけなのですが、
心臓のあたりを意識が通過したときに、
ものすごい反応があったんです。

心臓そのものが反応したわけではなく、
感情を感じる部分ですね。

そのカタチがはっきりと感じられるぐらいの感覚です。
その輪郭もわかるぐらいですね。
かるいエクスタシーを感じるんです。

でも、ヴィパッサナー瞑想は、
そういった感覚を無視しながら、
とにかく、意識を身体中へとめぐらせる瞑想方法です。

なので、意識をそこでとめずに、頭のほうへと向かわせました。

そして、意識が頭頂部にきたときに、
それは起こりました。

突如として、青白い稲妻のようなものが、
僕の頭頂部めがけて落ちてきたんですね。

その状態を俯瞰して見ている意識もあります。
異常な状態です。

おそらく、脳波はものすごいことになっていたと思います。

それが10秒ぐらい続いたでしょうか?
それがずっと続いていたらたぶん気が狂ってしまうのではないかという感覚です。

それっきり、そういった体験は起きませんでしたが、
起こる可能性はあるということですね。

1番つらいのは、10時間すわり続けることによる身体的な苦痛かも。

僕がヴィパッサナー瞑想合宿で1番つらいなと思ったのは、
誰ともしゃべれないことでも、
スマホをいじれないことでもありません。

10時間すわり続けることによる、
身体的な苦痛が1番つらかったです。

特に、体が硬い人にとっては大変かもしれません。

これは、ヴィパッサナー瞑想合宿に参加する前には、
想定できなかったことでした。

「1日10時間の瞑想?まあ大丈夫だろう」
って時間の長さに耐えられるかどうかだけを気にしていて、
すわり続けることによる身体的な苦痛は考えていませんでした。

なので、参加を迷っている人にできるアドバイスとしては、
1度、家で1時間ぐらいのサマタ瞑想をしてみてください。

きっと、すわり続けることの大変さがわかることだと思います。

余裕という人もいるかもしれませんが。。

なるべく、楽な座り方をみつけてから、
合宿に参加するのがいいかもしれません。

関連記事:サマタ瞑想のもっともシンプルなやり方。

1日10時間を10日間なんて、耐えられるのか?

人によっては、
「1日10時間の瞑想、しかも、それを10日間だなんて耐えられるの?」
って思う人もいると思います。

こればかりはなんとも言えません。

でも、途中で脱落してしまう人は、
思っている以上に少ないと思います。

僕が参加したときには脱落者はいなかったんじゃないでしょうか。

ものすごいため息をついている人はいましたけどね。
「は〜」ってあえて、
周りの人に聞こえるようにため息を吐くんです。

ヴィパッサナー瞑想合宿中は会話をすることは禁止されているのですが、
「つらいよ〜」っていう感情がひしひしと伝わってきましたね。
なので、人によってはつらいと思います。

特におしゃべり好きな人は、
覚悟して参加するほうがいいかもしれません。

寝ているとき、なぜか、たくさんの夢を見ます。

睡眠時間はだいたい7時間ぐらいなのですが、
なぜか、ものすごい夢を見ます。

夢の質という話ではなくて、回数です。
ひと晩に3回ぐらい見ていたんじゃないでしょうか。

それが毎日のように続きます。
不思議なんですけどね。

1日10時間も瞑想をしていると、
気づいている意識が活性化するのかもしれません。

夢をみる回数が増えているわけじゃなくて、
夢をみていることに気づきやすくなっているだけなのかも。

ヴィパッサナー瞑想では悟れない?集中力を上げるだけ?

僕は、悟りを求めてヴィパッサナー瞑想合宿に参加しました。
なので、同じ目的で合宿に参加しようとしている人に言っておきたいことがあります。

ヴィパッサナー瞑想合宿で悟るということは難しいと思います。
参加する意味は十分にあるとは思いますが。

ヴィパッサナー瞑想は集中力を上げるということには効果があると思います。

でも、ヴィパッサナー瞑想は観る瞑想です。
意識を使って、体をスキャンしていく瞑想です。
意識の焦点を「自分」で動かしていく必要があるんですね。

実は、「自分」で意識を動かすということが、
悟ることを邪魔してしまうんです。

瞑想の本質は、死ぬことのシミュレーション。

瞑想の本質は、死ぬことのシミュレーションにあります。
生きながらにして、死を体験している状態が本当の瞑想です。

なので、ヴィパッサナー瞑想というのは本当の瞑想ではないんです。

言ってみれば、本当の瞑想のための補助輪みたいなものなんですね。
ヴィパッサナー瞑想によって、体に意識を集中させれば、
そのあいだは、なにも考えずにいることができます。

本当の瞑想に近づくことができます。

でも、その集中力が、最後には邪魔になってしまうんですね。

なので、最後には、ヴィパッサナー瞑想そのものを捨てる必要がでてきます。
でも、そういうことは、ヴィパッサナー瞑想合宿では教えてはくれません。

もし、悟りを求めて合宿に参加するという人は、
それだけは覚えておくといいかもしれません。

耳栓を持っていくといいかも。

最後になりますが、
耳栓を持っていくといいかもしれません。

今はもしかしたら個室になっているかもしれませんが、
僕が参加したときは1部屋に8人で布団を敷いて宿泊していました。

夜になるといびきをかく人もいます。
僕はそういうのがちょっと気になってしまう人で、
ティッシュを丸めて耳に突っ込んでいました。

まあ、あまり効果はありませんでしたが。。

まとめ

というわけで、ヴィパッサナー瞑想合宿の体験談をお話しました。

参加する価値はあると思います。
10日間(正確には前後の日も合わせて12日間)の時間を確保をするのが大変ではありますけどね。

たしかに、心を楽にするという効果はあると思います。
1日10時間を10日間ですからね。

ヴィパッサナー瞑想合宿が終わってからの、
東京への帰り道はとても不思議な感覚でした。

心がとても穏やかなんです。
瞑想しているときの感覚が、日常生活でも続いているような感覚です。

そして、外からの刺激にとても敏感になります。
もちろん、合宿中は真面目にヴィパッサナー瞑想に取り組むことが前提ですけどね。

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